設立の趣旨

       
       
   ある日突然、犯罪をはじめ事故、災害等の被害に巻き込まれた被害者やそのご家族は、全く思いもかけない出来事により、心に深い傷を負い、苦難を強いられ、人生を大きく揺さぶられてしまいます。
  被害者等は生命、身体、財産等への直接の被害にとどまらず、その後も、精神的不安や心身の重い症状に苦しんだり、失職、転居等により経済的に困窮するなど、様々な二次被害に直面します。
  被害者等がこうした悲惨な実態にあるにもかかわらず、かつて我が国の被害者支援は欧米先進国に比べて著しく立ち遅れているといわれ、被害者等は、長い間適切な支援を受けることなく、社会の片隅に放置されてきました。
  近年、国民的な理解の高まりを背景として、我が国の被害者支援は急速に進展していますが、まだ、被害者等に漏れなく支援の手が差し伸べられる段階にはほど遠く、今なお、数多くの被害者等が必要な支援を受けられないまま、人知れず苦悩している実態があります。
  しかも、犯罪情勢が深刻化している昨今、新しい犯罪等の発生によって次々と新たな被害者等が生まれており、残念ながら、いつだれの身に犯罪被害が降りかかるかもしれません。
  不幸にも被害者等となった方々に、より早く、より適切な支援サービスを提供するため、平成15年4月、任意団体の「被害者支援センターかがわ」が設立され、平成20年2月、任意団体を発展的に解消し、NPO法人として再スタートしました。
 その後、一般社団法人格を取得し、平成26年4月からは公益社団法人として認定され、また、香川県公安委員会から「犯罪被害者等早期援助団体」の再指定を受けて活動しています。
  当センターでは、被害者等に対する電話相談、面接相談、付き添い支援等に加え、広報啓発活動も積極的に行い、被害者支援に対する理解と協力を広く呼びかけています。当センターの取り組みは、ひいては、新たな被害者を生み出さない、安全で安心な地域社会の構築にも大いに寄与するものと思われるため、今後一層の充実を図ることにしています。